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「今の僕達はあの頃と同じ僕達であって、まったくの別人でもあるんだ。僕だって、あの頃の僕とは違うもん。剣も使わないしね。立派な志もない。」
ただの、何処にでもいる学生です。
と、両手を広げおどけたポーズをする光輝。
「そう……だよね。剣をとる必要もない。新撰組も攘夷志士ももう存在しない。もう150年もたってるんだもんね。だから相川先輩を相川先輩として見ようとがんばってるんだけどね、でも、どうしてもふとした瞬間に土方さんが見えてしまうの。相川先輩の言動も。あの凛とした横顔も、眉間のシワも。」
「……まぁ、今は仕方ないんじゃない?これから少しずつでもみんなを知っていけば変わるよ。大丈夫、綾瀬ちゃんには僕がいるじゃない。まだみんな出会ったばかりだしね。再会したことを今は喜ぼう。だから、ね。そんな悲しい顔しないで。」
ね?と優しく珀月の頭を撫でる光輝。
そう…だよね。まだみんなと再会したばかりだもの。これから少しずつみんなを知っていこう。
時間はかかったとしても、一度気持ちを整理して今をちゃんと生きなくちゃね。
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