7th episode

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永遠と須臾。人が感知できない程の一瞬の時間を操り、幾重の歴史を重ねる事が出来る。人にとって歴史とは経験である。永遠亭の客間もとい、有の部屋にスキマが開いた。 「はぁ・・・なんか久しぶりね。」 「こっちの時間はたった一秒くらいしか変わらないのに不思議な気分ね。」 「ホント、久しぶりに帰ってきて懐かしいですよ。」 なんて、紫、輝夜、有の3人は話ながらスキマから出てきた。異空間で約3年の月日を過ごしたので紫と輝夜は変わっていないが有の姿が若冠変わっている。と言っても、少し背が伸びて顔も少し整い大人っぽくなっただけなんだが。 「それじゃあ、私は一旦家に変えるわね。自分の家で休憩するわ。」 紫は優雅にあくびをしながらスキマに消えていった。それと入れ替わる様に鈴仙が部屋に訪れる。部屋に入るなり彼女は 「姫様が男を連れている!?」 と、驚いた様子で永遠亭内中に響き渡る声で叫んだのだ。そして、てゐと永琳がやって来るのに時間はかからなかった。 「これは一大事件うさね・・・。」 「姫様の恋愛に口を出すつもりはありませんが、いきなりの男連れはいかがなものかと・・・」 「ち!違うわよ!これは有よ!ちゃんと確かめてよ!」 輝夜の必死の説明に、彼女たち3人は有に近寄りマジマジと顔を見つめる。 「え、えぇっと・・・僕はちゃんとした水無瀬有ですよ?」 有もニコッと笑いながら訴えてみる。少しだけ大人びた彼の笑顔を見た3人は少し納得した様子で 「そう言われてみれば・・・。」 「そうですね・・・。面影がありますね良く見ると。」 「・・・とりあえず一件落着うさね。私はもう行くうさよ。」 てゐは何も歓心が無さそうに部屋から出ていってしまった。残る永琳と鈴仙はやや顔を赤く染めながら 「にしても有さん、何で急に変わってるんですか?雰囲気とか体つきとか。」 「それは輝夜さんの能力を使ったからだよ。」 「まさか姫様、あの能力をお使いになられたんですか?」 「エエそうよ。約3年くらいの時間は有と一緒にいたわよ。あと八雲紫もいたけどね。ふぁぁ・・・私もなんだか眠くなっちゃった。少し休むわ。鈴仙、お布団敷いてー。」 「え?あ!はい!わかりました。」 そして輝夜と鈴仙と一緒に部屋を後にした。残ったのは永琳と有。永琳は輝夜達の足音が遠くなったのを確認すると有に急接近した。
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