帝国教育委員会調査書

2/3
2260人が本棚に入れています
本棚に追加
/550ページ
学のピストルの銃口からは飛び出したのは弾丸ではなかった。 網だ。大きな動物を捕える捕獲網のようなものが、銃口からジェイドを覆う形で噴出されたのだ。 それを受けたジェイドは、たちまち網に絡まり体の自由が利かなくなる。 締め付けるように巻きつく網から、ジェイドは必死に逃れようとするが無意味だった。網は捕獲対象が暴れれば暴れるほど、余計に、複雑に絡まっていくのである。 やがてジェイドは諦めたかのか、動きを止めた。 息を切らし、網に捕らえられている姿は無残だった。 「すっげえ……桜さんからもらったこれ、使えるぞ!」 うれしそうな声で学は歓喜する。 「これでジェイド対策は万全だな」 さすがは技術力のある組織だ、こんな武器も用意してくれるなんて。 捕らわれしジェイドを背に、二人は再び学校を目指し走り出す。
/550ページ

最初のコメントを投稿しよう!