無くしたもの

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20代くらいの男が足を組み、その上に肘を置き頬杖をつきながらじっと何もない空を見つめていた 全体的に黒で統一された部屋の扉がゆっくりと開く 「ボス」 ガチャッと扉が開いた後、チリンと可愛らしい音色と共に冷たい女の声がそこに響いた ボスと呼ばれた男は静かに窓から目を離し、女と向き合う 「なんだ、黒猫」 「私は明日ジャパンに行きます」 「ジャパンに?」 男は少し眉を潜める 「はい。仕事はメールでお願いします」 男は納得したように小さくああ、と呟いた 「もうあれから1年立つんだな」 どこか遠くを見て懐かしむ男とは正反対に女の顔は憎悪に染まっていた
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