道中にて

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争いを知らない国、レフリーストル王国。 そんな国、通称レフルには戦うことを主とした職業は存在しません。 争いがないため、人以外の生き物たちも、人間も、とても優しい性格をしている、私の暮らす国レフル。 私はその人以外の生き物、その中でも珍しい精霊と一緒に暮らしています。 数は六人。 火と水と風と土と光と闇、六種類の精霊たちが共存しているのですよ。 でも、精霊たちと暮らしているからといって、私の職業は精霊使いではありません。 私の職業は、精霊の力を使っていろんな道具や料理を作ったりする、放浪工房をやっているのでして。 そんな放浪工房の店主で語り手の私の名前はライナ。 レフルでも西の端っこの方にある、小さな小さな村の生まれです。 今はその村からずいぶんと離れて、国の北東の方にいると思われます。 なんでどこかわからないのかというと、私は今長い長い道をずっと移動してきているので、正確な場所がわからない状態なのでして。 周りは生い茂る木々。 そんな中をずっと、ここ一週間移動し続けています。 店舗兼家ごと精霊の力を借りて移動しているので、決して身体的に疲れることはないのですが、一週間移動して村にも町にもたどり着けないとなると、精神的に病んできてしまいました。 一週間前にいた町で買い貯めした食料も、半分を切ってしまいました。 辺りは真っ暗。 レフルでは女の子が人気のないところにもいても襲われることがなく、猛獣もいないため命の危険はないのですが、病んできた心を真っ暗な夜に暗闇の森を移動していると、心はさらに滅入ってきました。
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