静かな怒り

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『マンダリン星系はともかく、緒戦で連邦軍を叩き切れなかったのが痛いのぅ・・・』 無言で首を左右に振るラインツ。主力部隊の戦況は逐一報告されているが、彼はほとんど聴いていない。 『ダグラスとアルベルトは攻勢に強いが守勢に弱い。レオンは若干守勢寄りじゃが、まぁまぁバランスが取れておるかのう。・・・連邦軍に比べれば少しはマシじゃが、いささか物足りんのう』 「閣下、主力部隊は突入したものの、連邦軍の猛烈な反撃に遭っております」 副官の報告に我に返ったラインツはモニターを凝視する。そこには次々と火球に包まれる帝国軍艦隊の姿があった。 「あれは先鋒の第5艦隊です」 「ダグラスの馬鹿が・・・ただ突っ込めば良いとでも思っておるのか?しかも後続はアルベルトか?何の支援もしとらんでは無いか」 ラインツは呆れた表情でため息をつくと、 「突入を中止し、射程外に一時後退じゃ。それからジェライドには『各艦隊の連携をもっと考えろ』と伝えよ」 苛立ちを抑えつつ命令を下した。 『全般的に優勢じゃったからそのまま好きに戦わせたが、ジェライドはこの辺が限界のようじゃのう・・・』
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