序章 時満 -トキミツル-

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少女は眩い銀色の光に包まれていた。 胸元から銀色の柄が伸びてくる。 少女が細い腕で柄を力一杯引き抜いた。 細身の霊刀が体内から召喚される。 キーーーーーーン。 濁った大地に、澄んだ甲高い鉄を打ち鳴らしているような音が響き渡った。 切れ長の黒い瞳が少女を見下ろす。 無表情に冷徹に無慈悲に、青年は黒髪の少女をあざ笑う。 私は、世の理へあなたを還す。 少女の細身の剣が、高く振り上げられた。 一人にはしない。 私もいく。 二人で一緒に、この世の顛末を見届けよう。 例え結末が地獄になろうとも、人がその中に楽園を見出せるまで――――。image=425383345.jpg
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