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「卯神様のところね。あたし、道案内できるわよ。付いて来て」
「道案内は有り難いな。わかった、連れて行ってくれ」
まっかせてと声を弾ませながら、オルジェは俺の手を引いてスタスタと早足で歩き出す。
「頼りになる踊り子さんなんだじぇ!ねえねえ、カシス。この踊り子さんのお名前は?」
無邪気に尋ねてくるティルにオルジェだと答える。
「“オルジェ”って……広場で一番可愛いって噂されてた子なんだじぇ!良かったね、カシス。でも可愛いからって、何も考えずに手を出しちゃダメなんだじぇ?一応、ボクが見てるから間違ってもそんなことはしないと思うけど」
……当たり前だろ!
俺はティルに心の中で強い口調で答えると、オルジェに連れられるまま、卯神のところへ向かった……。
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