プロローグ

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「あなた……っと、なんか他人行儀で嫌だから楓と呼ばせてもらうわよ?」 「あ……ああ、どうぞ。」 アリスはそう。と言って、その後人差し指を立てた。 「一番問題なのは楓が死んだと言う事なのよ。」 へ? つまり自分以外なら問題は無かった……と? 「あら?なかなか察しが良いじゃない。」 「どうゆーこと?」 理解出来ない凡人の自分に、アリスは再び説明し始める。 「まぁさっきの事件は全く関係無いわけじゃないんだけど。事件が増えてきてるから神様達を増やそうと思ってね。神様を増やすのも結構面倒で……」 「所々に愚痴混ぜるなよ。神様だろ…」 「そこ、そこが問題なの。神様はどうやってできるかわかる?」 えっと………… アリスが創るんじゃないの? 「よく勘違いされがちなんだけどね。それはずいぶん古いやり方で能力は高くて良いんだけど、人間性とかが足りなくて。」 ……つまり? 「常識とか人間性とか……人間味ね。そういうのが足りないのよ。だからほとんどの神が当初の創り方では出来てない。」 じゃあどうやって…… と、自分は首を傾げる。 「人が生まれる前に魂に細工して、神の器にするの。その人間が死んだら私が説明して、神になるか選択させる。」 えー神様って元は人だったの!? 「神は元が人なの。人は愚痴を言うわよね?だから神は愚痴を言っていいの。」 長々話すと思ったらそれ言いたかっただけかよ!!しかもアリスは元は人じゃないだろ!! 「わかった?理解が早くてやりやすいわね。それだけじゃないわ。これは楓にも関係しているのよ。」 あなたは神の器ですとか? 「そう。しかも楓は死ぬはずじゃなかったじゃない。楓は実は将来歴史的偉業を達成するはずだったの。」 えぇぇぇぇ!!すごっ!!!! 「そこで歴史が歪んでしまったの。規定事項だったのに……しかも楓は一般人じゃなくて神補佐候補だったの。私が普通に創った神並みの力もあったし。」 じゃあ神になれるのか? 「本来はね。」 本来はって? 「楓は神補佐になれるほどの力を持った人間です。力を持った神は想像で魔法もできます。実は、神の器の人間は死ぬ間際に神の力が抑えきれずにどんな魔法でも使えます。さて、問題です。そんな楓は一体死ぬ間際に何をしたでしょうか?」 数日前を振り返る。 あ。 『パルプンテェェェェェェェ!!!!!!!!!!』 「パルプンテ唱えました。はい、本当にすみませんでした。」 「本当にね。私の仕事が増えちゃったわよ。」
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