―第二話―

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あやめ「ただいま戻りましたー!」 新八「おぅ、あやめちゃん。お帰り。」 台所では新八さんと 佐之助「嬢ちゃん、お帰り。」 あやめ「ただいまです。」 原田さんが夕飯の支度をしていた。 原田さんは新撰組では珍しく、槍を使って戦う人。生まれは伊予松山藩って言ってた。 あやめ「すいません、遅くなっちゃいました?」 佐之助「いや、全然?大丈夫さ。」 新八「ん?いつもの店の沢庵じゃねぇな。」 ………。 新八さん、気づくの早い。 あやめ「売り切れだったんです。だから、お店のひとが別のお店を紹介してくれました。」 新八「へぇ…。」 まじまじと新八さんは私が買ってきた沢庵を眺めていた。 原田さんはというと… 佐之助「嬢ちゃん、悪いんだけど、買ってきた野菜くれるかい?」 あやめ「あ、すみません。」 原田さんに人参やら、玉ねぎなんかをもろもろ渡した。 佐之助「ん、ありがとな。」 あやめ「私も手伝いますよ。」 佐之助「いいよ。嬢ちゃんのかわいい手に傷がついたらいけないしね。」 あやめ「はぁ…」 …原田さんはよく、わからない人だ。 たまに優しかったりするけど、大体私の事を“嬢ちゃん”って言ってからかってくる。 …からかうっていうより、絡む。 新八「お、ウメェじゃん。」 あやめ「…あぁ!ダメですよ、つまみ食いしちゃ!」 新八さんは抜かりなくつまみ食いなんかしてるし。 私は必死で止める。 新八「あやめちゃんも食う?うまいよ。」 あやめ「食べませんっ!いいから止めてくださいっ!」 沢庵めがけて手を伸ばすが、新八さんの背が高いのか、腕が長いのか、なかなか届かない。 …ジャンプしても駄目だぁ。 佐之助「ほら、ぱっつぁん。その辺にしとかないと、あとで怖いよ?」 新八「副長なら、大丈夫さ。」 佐之助「…そうじゃないよ。」 新八「へ?」 その時。
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