2907人が本棚に入れています
本棚に追加
/418ページ
―――京の町―――
お日様が、空の真上に射している
しかし、お日様の光がいき届かない 薄暗い路地裏で私は、浪士達に囲まれていた。
私は、浪士達をグルリッと見渡してから、大きく息を吸い込み、空に向かってこう叫んだ。
「チビ藤堂の馬鹿野郎ぉぉ!!」
私の声が、京の町に響き渡った。
ことの発端は、数時間前にさかのぼる。
―――――――――――
「チビィ...暇だから町に出てみねぇ?」
「おい...この状況を見て言ってんのか?チビ」
廊下の雑巾掛けをしている私に対して、平助は縁側に座って空を眺めていた。
「あぁー...暇だよぉ。チビィ、俺 暇過ぎて死にそう」
「それで死ねるなら死んでくれ。つか、退いてくれない?」
雑巾掛けを邪魔をするかのように、平助は廊下に寝転ぶ。
このまま、その顔面を雑巾掛けしてやろうと考える。
「よし!!チビ、町に行くぞ!!」
「だから、私は忙し「関係ない!!行く!!」
私の言葉を遮りやがったと思えば、平助は私の手をグイグイと引っ張る。
また、面倒事が起こりそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!