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変態という名の紳士。
竜之介のキャッチコピーである。
あちこち無作為にはねた黒い髪。全体的に痩せ気味だが、ここ一年で身長は著しい伸びを見せた。そのせいかスタイルも良くなり黙っておけばかなりのイケメンだ。
黙っておけば……ね。
「ねえ、竜之介。病気の名前なんだっけ?」
「それは『幼女テラモエス症候群』のことか?」
やはりその設定は生きていたか。
「お前も仲間にしてやんよハァハァ」
「全力で拒否する」
「幼女良いよ幼女ハァハァ」
「やめて。気持ち悪いから本当にやめて」
こいつがモテない理由がこれだ。言動がおかしい、イカれてる。もう救いようがないくらい手遅れ。終わってる。
「へへへっ…美阪井、そんなに誉めちぎられると照れるじゃねーかコノヤロー!」
こ い つ 馬 鹿 だ !
本当に千切ってやろうか。
既に女性陣が引きまくっているのは敢えて言うまい。
「永渕くんが怖いです…」
「新学期早々ごめん…」
博愛主義の凜華にここまで言わせるとは……すごく、恐ろしいです……!
「きもちわる。ヘンタイはほっといて行きましょ。遅刻しちゃうわ」
促され、あまり時間が無いのに気付いた僕達は新しいクラス、すなわち三年四組へと足を運んだ。
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