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「カナ」
「ん?」
「好きだよ」
!!
「も、もう何回も聞いたよっ」
改めて言われると恥ずかしいんだけど!
「何度言っても言い足りないんだ。俺はカナが好きだよ」
「……」
甘い雰囲気を醸し出す彼と、その空気に飲み込まれる僕。
「僕も、好きだよ。高峰くんが」
「良太って呼んで」
「………良太」
この空間が包む僕達は、
「ん……」
幸せの絶頂にいた。
「あっ、今日はもうダメだよ」
「わかってるよ。触るだけだから」
「ダメ!あ…明日まで待って」
「………」
…あれ、怒った?
突然うなだれて黙った彼はわざとらしく大きなため息をついた。
「ほんっとにお前は……自分が今どんな顔してるか分かってる?」
「え?」
「無自覚ってコワいよな…。この天然が」
「何?何の話?」
「…理性と闘う男の話」
「??」
「クス。何でもないよ」
結局笑ってごまかされてよく分からなかったけど、頭を撫でてくれる手が気持ち良くて、そのまま眠りに落ちていった。
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