第1話 紅の記憶

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寒い冬。 空からは白い雪が次々と舞い降りていた。 当時、7歳のキルはとても綺麗な雪をみながら帰宅した。 「ただ今ーー!!」 キルの元気な声に家族は皆、笑って『お帰り』と言う。 キルはマフラーや手袋を外しながら温かい家の奥に行く。 目の前では暖炉の中で火が燃えている。 それを父親は薪をくべたりしつつ調節していた。 暖炉のあるリビングでキルの母親は編み物をしていた。 お腹は大きく膨らんでいる。 もうすぐキルの妹が生まれるのだ。 「お母さん妹は!?」 「まだお腹の中よ」 そう言って苦笑する母。 残念そうに下を向くキルの頭上にコツと何かが当たる。 上を見上げれば、キルの姉がマグカップをキルの頭に当てていた。 「あんたはせっかちすぎ 時間が経てば勝手に出てくるんだから急かさないの ホットミルクでも飲んで落ち着きなさい」 姉に渡されたマグカップには温かいミルクがたっぷり入っていた。
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