高井 加奈子の思惑

8/37
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
それから、3週間後、別のお得意さんらしき人を連れた笑顔の雅之が、ウェーティングに居る私を見つけウィンクをした。 「女の子が居るお店に行きたいって言うからね」 私は前回来てくれた後に、お誘いの電話さえしてなかったのに私を覚えていてくれた。 思いがけない来店に正直驚いたけど、凄く嬉しかった。 私は当然の様に、雅之の隣に座った。 そして、私は今の正直な気持ちを伝えた。 「本当にまた来てくれたんですね。本当に嬉しいです」 いつもの営業スマイルとは違う、とびっきりの笑顔になっていた。 その事は、後でマネージャーに冷かされるほどだった。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!