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「………ええ、わかりました。今すぐ向かいます」
礼はそう言って電話を切り、突然駆け出した。
「追いかけなきゃ!」
拓哉も電柱から離れすぐに礼を追いかけた。
礼が角を曲がる。
すぐあとに拓哉も角を曲がる。
「え?」
拓哉が角を曲がったとき、礼は姿を消していた。
………おかしい。
さっき曲がったばかりなのに姿が見えない程遠くまで離れられるわけがない。
そう思って拓哉が辺りを見ると住宅地の塀に少しずつ小さくなっていく影のような穴があった。
「なんだこれ………?穴?それとも影?」
中を覗いてみたがその先には何も見えない。
そのときある予想が拓哉の頭をよぎった。
「まさか………榊原さんはこの中に?!」
その瞬間、拓哉はその穴の中に飛び込んでいた。
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