プロローグ

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殴りつけられるような 《豪雨》だった。 まだ 午後3時だというのに 深夜のように、昏かった。 …だが、しかし、 空気は 驚くほど、軽かった。 空間を 切り裂いて 強烈な 光が射しこんで アイツのカラダから アイツの《影》を 抜きとろうとしていた。 俺は 自分でも驚くほど 機敏に アイツのカラダに 駆け寄ったンだぜ? 手を伸ばして ガッチリ 掴んだはずの アイツの《影》は まるで 光の粒子のように 俺の手の中で サラサラ、と 崩れていった。 どのくらい 時間が経ったのだろう。 ほんの一瞬が とてつもなく長かった。
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