Episode-ⅩⅩⅩⅩⅢ

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最上階ならば、直接翔んだ方が早い。 そう考えた私は、迷うことなくアビリティを発動させていく。 『セラフ・フォーゼ』(熾天使化) 私の背部へと白い光の粒子が集束していき、一対の光の羽が具現化された。 そしてそれは一瞬の輝きの後に、薄い赤みを帯びていく。 良い感じに追い風が吹いてきましたね。 元々、そうは遠くない距離。 降りしきる雨に逆らい、私はコンクリートの地面を強く踏み締めた。 「くっ……」 身体中に走る痛みは激しい。 そして更に後ろから吹き付ける風は、幾つもの傷を刺激する。 これしき、彼の痛みに比べたら……! そう考え、私は力一杯地面を蹴り出し、高く跳躍、そして飛翔する。 「ハク……!」 今すぐ向かいますから……!
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