『出発』

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ペンタグラムを発動するには、5つの指定された拠点に行くことから始まる。 まず私達はどの拠点に、どの組が向かうのかを話し合いで決めることに。 「どうしましょう? どの拠点に誰がいけば良いかは実際に行ってみないと分からないですよね……」 「うん、そうだね。じゃあ……とりあえずペンタグラムの発動場所を見に行かないと。で、その結果をメールで皆に送る。この方法はどう?」 すると、ゆみんが得意気に前にでる。 「面倒くさいでしょ、それ。そんな事しなくても良い方法があるよ。私に任せたら?」 「えっ?」 朝霧さんはよく分からないと言った感じで目をパチクリさせた。 「ほら、私のファンよ。あいつ等ならどこの拠点にもいるし。すぐに連絡取れるよ。奴らに調べてもらうの。きっと私に使われて嬉しいはずよ、なんせ私の熱狂的なファンだから! ふふ、まさに一石二鳥よ!」 「え……あ……そ、そう……」 ゆみんの言葉を聞いた朝霧さんは、口をポカーンとあけたままで固まっている。 ……。 な、なんだか吹っ切れたなあ、ゆみん……。 もうどれが本当のゆみんの性格かも分からない。 「凄い性格だな、あんた……」 翼君は呆れたと言った感じで彼女を眺めている。 「ふーんだ。もういいのよ! どーせ、この戦いが終わったら私は皆から愛されるアイドルじゃなくなるんだから。だから、今の内にアイドルの特権ってやつは使いまくってやるの!」 「あっそ」 さらに興味がないと言った様子で、ゆみんを適当にあしらう翼君。 「はあぁ~。いっそのことこの戦いが終わったら外国にでも姿を消そっかなぁ。お金あるうちにさ」 「どーでもいいけどさ。やるんなら早くしてよね。無駄口多いよ、あんた」 ゆみんは口を尖らせた。 「はあ!? あんたホントにムカつくガキね」 「それはお互い様じゃない?」 「ちょっ、や、あのっ……ふひぃ……で、ですからー……その」 みかねた金田さんが、二人の間に割り入った。 おどおどしてなにを言っているのか分からない。 でもたぶん仲裁をしたいのだろう。
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