0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
うちひしがれたような朝日から
融け出してくるこの理性
どうか覚めないうちに食べて
遺さず骨の髄まで
水溜まりのめだかに
難しいことを訊いてみる
答える間もなく息つまり
腹を見せて浮かぶだけ
暁に恋する月夜にも
身を焦がすようなこのリビドー
穴を貫く太い影
握りしめて腰を融かす
狂ってるだとか正気とか
目の前の君が欲しいだけ
夏を叫んでる蝉達と
雪遊びの約束をする
抱き締める腕なんて
そんなものはいらない
鎖でからめとって
あなたのモノにしてよ
重ね重ね意味のないキスを
壊れた恋人のように刻む
血にまみれたこの瞬間に
鍵をかけて首をしめて
指のすきまねじ込まれる異物
込み上げた酸っぱい落とし物
上に落ちて下に跳ねて
ひっくり返し玩具箱
祈るために組まれた指
そんなものはいらない
その指で弄んで
あなたのモノにしてよ
兵士は吟う蔑み囃
娼婦は唄う別れ詩
死神謡う黒の童歌
神様は怒鳴ってばかり
見えない見えない見たくもない
汚物にまみれた合い言葉
いじけて妬み軋み続ける
秩序と正義の偽善劇
壊せ壊せ殺してしまえ
無垢な赤子のあたしは叫ぶ
産声なんてらしくないから
力の限り呪ってあげる
最初のコメントを投稿しよう!