ライフ

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 見渡す限りの蒼、水平線上には山脈のように白い雲がそびえる。  僕の周りには何もない、この世界には大地なんてなかったんじゃないか、こう錯覚する程だ。  自分の足下……それよりずっと下を見ると、その生命力を誇示するような山々の深緑が広がり、指でなぞったように所々薄い青色の河が見える。  そして河の流れを目で追いかけると力強い緑の山々とは反対に、穏やかさや寛大さを象徴するような深い青の海が見えた。  海にはポツポツと小さな島々が浮かんでいるように在る。  これらを見ている僕は、まるで水の中で浮き沈みしているような、いや、それよりも水の重さどころか自分の重量さえ感じずにフワフワとしながらこの澄んだ空に、雲のように浮かんでいた。
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