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「母ちゃん、本当は女の子が欲しかったらしくてさ、女子が来るとはしゃいじゃって」
「そう……なんだ」
しゅんとなる。
そんなふうに言うくらい、女の子が来るの?
恋って、本当に厄介。
相手の些細なことも知りたいと思うのに、その些細なことをいちいち気にして。
そんな気持ちを察してか、真幸くんまで落ちた声。
「先輩、大丈夫?」
「え?」
「なんか疲れてるっぽい」
「あ……、えーと……、走ったからかな」
うん、一応嘘じゃない。
笑って誤魔化して、この話題はそこで終わりなんだと思ったのに、
「ダメじゃないですか!」
「えっ!?あ……、ごめ……」
「体弱いんですよ!」
「う、うん……」
予想外。怒られた。
「あの、ごめん……」
無口になるから、どうしていいのか分からない。
真幸くんは、話してくれないと不安になる。
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