適わない

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「よし!!日誌終了!!…愁、お待たせ…あれ?」 日直日誌を書き終えた優歌が横にいる、彼氏である愁一を見やると、彼は机に突っ伏して寝息を立てていた 窓から差し込む夕日が、二人きりの教室と愁一の顔を照らしている 彼の気持ち良さそうな寝顔をもう少しだけ見ていたくなって、起こすのをやめた 「きれいな顔…」 優歌は柔らかく微笑んで、彼を見つめる 愁一の顔にかかった前髪を静かに梳いていると、無性にキスをしたくなり、彼の眼鏡をそっと外し、額に軽くキスを落とす 唇を離した瞬間、 「…寝込みを襲うなんて、意外と大胆なんだなぁ」 寝ていたはずの愁ーの声がした 眼鏡をかけ直しながらにやにやと笑う愁ーを睨みつける 「い、いつから起きてたの!?」 「ん?お前が俺の髪を撫でてるときから」 「ばかっ!!」 耳まで真っ赤にしてそっぽを向いた優歌 「…なぁ、なんでキスしたんだ?」 「…い……から…」 「え?」 「きれいだったから!!」 さすがの愁ーも少し目を見開き、そして微笑んだ 「やっぱお前には適わねーな」 そう呟くと、優歌を抱き寄せ優しく口づけた
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