16478人が本棚に入れています
本棚に追加
/861ページ
結局、ホテルに着くまで先生とはずっと手を繋いでいた。
エントランスに入るとスッとほどかれたけれど、それは仕方ない。
大満足だよ。
「じゃあ、また明日」
あたしが泊まる部屋の前。
先生がそう言って片手を上げた。
あたしと先生は、隣の部屋。
「はい。おやすみなさい」
そう言って、あたしはカードキーを扉に差し込む。
あたしが部屋に入るのを見届けるように、先生はその場に佇んでいた。
――パタン。
あたしの部屋の扉が閉まってから数秒後。
先生の部屋の扉も閉まる音がした。
1人になると、どっと疲れが押し寄せたけれど、全然辛くない。
むしろいまだに高揚しているこの気持ち。
ナチュラルハイな状態で、あたし、今夜は眠れるかしら。
そんな心配をしながら、お風呂に入る準備をした。
最初のコメントを投稿しよう!