16478人が本棚に入れています
本棚に追加
/861ページ
「おはようございます!」
「……おはよう」
眠そうに目を細めながら、先生がボソッと呟く。
「……早いね」
ふあ……、と欠伸をしながら、先生は今開けた扉に寄りかかった。
ドイツ2日目の朝。
目が覚めたあたしは身支度を整えて、隣の先生の部屋をノックしたのだ。
で、今。
今まで寝てました感バリバリの先生が、部屋から出てきたところ。
「先生がネボスケなんですよ。早く準備して、朝ご飯食べましょう」
あたしのお腹はペコペコだった。
急かすように言うと、先生は面倒臭そうに眉をしかめた。
「元気だな……。時差ぼけとかないわけ」
「先生、早くっ」
「あー、うるさい。分かったから。……つーか城崎は?」
ジョー?
そういえば、今朝はまだ見ていない。
「あいつもまだ寝てるよ、絶対。お前、城崎を起こして来い」
「ラジャーです!その間に、先生準備しててくださいね」
「はいはい」
全く気持ちがこもっていない返事をして、先生は扉を閉めた。
先生ってば、テンション低いなあ。
まあ、いいか。
気を取り直して、あたしはさらに隣のジョーの部屋の扉をノックした。
最初のコメントを投稿しよう!