プロローグ

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ここは……? 夜だということはわかるけど…… 空に浮かぶ月を眺め、辺りを見回した。 身を隠すように、橋の真下で膝を両腕に抱えたまま数分が経つ。 呼吸が整いだすと、膝に痛みを感じて濡れたスカートの裾を上げた。 膝は血が滲み、なぜか泥まみれであることに気付く。 「はぁ……はぁ……亜希…」 急に息が切れて苦しくなり、目眩を覚えて地面へ横になった。 そっと目を閉じ、心の中で自問する。 ……逃げ切れた? 亜希は……無事なの? ここは一体どこなんだろう…… 亜希を気に掛けながらも、意識が遠のくのを感じていた。
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