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旅の道連れ
月の明かりがまるで薄衣のように、彼の輪郭をぼやけさせる――そんな夜だった。
それでなくともどこか儚げな印象の彼を、その友は浮かない顔で見つめた。
「そんなこと…貴方の口から言ってほしくありませんよ。」
そう言って苦しそうに顔を歪める友に、彼は落ち着いた口調で言った。
「だから、もしもの、もしもの話だよ。
その時こんなことを頼めるのは、お前しかいないんだ。」
優しく微笑むその顔を見ると、ぎゅっと胸が締め付けられる。彼に無言でこくりと頷いて、俯く。
そんな友に、少し寂しげに微笑んで彼は言った。
「ありがとう。
――銀獅子。」
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