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私の言葉を聞いた瞬間に、3人の顔色が変わる。
「光総合病院の…患者、です」
その瞬間、総司、と呼ばれていた人が何やら動いたのが分かった。
私の目に映ったのは、そこまでだった。
どんっと平助くんに押し飛ばされて、後ろに手を着く。
同時、頬に走る熱さにも似た痛み。
何が起きた…??
「俺の邪魔するとか、いい度胸してんな、平助」
いつの間にか私の目の前に立ってる総司、さん。
私を押し飛ばした平助くん。
総司さんの刀からは僅かに血が滴った。
鼓動に合わせて痛みの走る頬に手を当てれば、ぬるっと嫌な感触が。
ああ、私、総司さんに斬られたのか。
だけど、夢だよね?これは…
どうして、こんなに頬が痛いの?
「総司。刀しまえよ」
「平助お前この女の言葉聞いてなかったのかよ。間者だって認めたんだぞ」
「俺は、コイツが間者とは思えねえから」
患者だと何がいけないのだろうか。
病気だから??
どうして?
どうしてこの夢は、痛みを感じる??
どうして?
「てめぇ、馬鹿なんじゃねえの?」
睨み合っている平助くんと総司さん。
どうしてこんな事に…?
「おい!何やってる!」
バタバタと言う足音とともに聞こえてきたのは、聞いたこともないようなドスの利いた声。
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