プロローグ

2/2
5202人が本棚に入れています
本棚に追加
/1183ページ
私は今、とある舞台の袖にいる。 と言っても、これから芝居をやるわけではない。 しかし、私の服装は普通なら着ることのない代物で、芝居等の理由が無ければ速攻で精神病院に連行されるだろう。 純白のローブに、背中には純白の翼。 ついでに頭には、光る輪っかが浮いている。 そう。神話に出てくる天使のコスプレ。 間違えないで欲しい。 私は自分の趣味でこんな格好をしている訳ではない。 これは「仕事」なのだ。 明るい音楽が響き、男性の声が重なる。 「こんにちは!今日は『異世界記』のイベントにようこそ!」 そう。これはアニメのイベント。 声を宛ててる声優陣が役に扮して出演するわけで・・・。 私が天使役ということ。 「あれ?ルシファーはどこにいるのかな? ルシファー、カモン!」 私は袖から飛び出す。 「コウ~、やっと呼んでくれた~!」 会場から声援が飛ぶ。 声優。 それが私の職業。 私は、アイドル声優!
/1183ページ

最初のコメントを投稿しよう!