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「いや、やっぱりダメだ。
優凪…
いっそのことここに住めよ。今使ってた部屋やるから、引っ越してこい。」
優凪の言葉に一度は頷いたものの、一瞬で色んな思いが頭を巡り、次の瞬間咄嗟に引き留めた。
無謀な提案だとは分かっていたが、言わずにはいられなかった。
案の定、優凪は動揺して無理だと言った。
俺はそれでも強気に押しきる。今ここで引くわけにはいかないんだ…
「いつまで?」
との優凪の問いに、ふとずるい考えが浮かんだ。
「優凪が俺を好きになるまで。」
勘の良い人にであれば、遠回しな告白となるだろう。
あえて言葉で好きとは伝えずに、俺を意識させてやろうと考えた。
好きと伝えてない分、いくらでも言いようがある。
逃げ道を作った。
俺はずるいな…
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