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……ふと、気が付けば。
俺は上下左右、どこまでも真っ白の摩訶不思議な空間で佇んでいた。
突然のことで、俺自身も状況の整理が全く追い付いていない。
……俺、何でこんな場所に……。
頭を捻るも、ここまでの経緯がぼんやりしている。
まるで長い夢から覚めて、夢を見たような気がするのに思い出せない、そんな感覚が頭を巡る。
ただ。
少しずつ、先程までの記憶が蘇ってきているのが解った。
とりあえず、状況を整理する為に、ここまでの経緯を思い出すことから始めるか。
この空間をさ迷ってもいいが、どんな危険が潜んでいるかも解らないし、空間把握能力が麻痺するこんな空間を歩く気力は無い。
つーか、意外と冷静だな。俺は。
普通の奴なら気が狂ったり、喚いたりするような状況な筈なんだが。
一応まだ子供なんだけど、と自分で薄く笑いながら、俺は床へ座る。
1度だけ軽く息を吐くと、ゆっくりと目を瞑る。
……俺が最後に覚えているのは……″アイツ″と一緒に学校を出た所まで、か。
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