神の箱庭-world's end-

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リコリス 手を繋いでもいいですか? そっと触れる温かさ 神様が下さったのが 目に見えぬ幸せならば この触れ合った瞬間の体温の事でしょう 光の溢れる白い森の小道で 蒼い蝶と躍る その瞳が 映したものは朧げな 王子様の影絵だったのでしょうか 素足を撫でる若草に 白の花が とても お似合いで 木陰で眠るあなたに落ちる陰は どんなに暗かった事でしょう 煌々の光に寄り添う微笑み 真白で汚れのない あなたは まるで白百合の翼の様 総てに愛されなければいけないのです 愛してもいいですか? 胸に燈る温かさ あなたが知らないのが 目に見えぬ幸せならば その触れ合った瞬間で教えてあげましょう 朧げな王子様の影絵は 誰のものだったのでしょうか 光が縁取る真白な あなたには いつか朱く燃える花をあげましょう 一輪だけの艶やかな 神様に誓って あなたに捧ぐ そして遠い明日に知るでしょう 空から降るこの花の名前を リコリス (わたしが想うのはあなただけ)と
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