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…新たな人生…
『それでいいのか?』
『いいんじゃない?新たにいきたいわ。きっと、あの人達は、新しい土地で新たな人生を始めてるワケでしょ?』
『…だろうな…。』
もしかしたら、また同じ様な事を繰り返すのかもしれない。
でも、…でも、本当の人生を歩み始めているかもしれない。
子供のための人生を…。
離婚はしていない気がする。
あの…夏祭りの夜の猛ダッシュする前の…子供を真ん中にはさみ「たか~い、たか~い」をしていたあの夫婦の姿が思い出される。
…もう…いいや、追いかけるのやめよう…っと。
私達も、振り返らずに、子供の為に生きていこう。
もう余計なものはいらないや。
シンプルな人生でいいや。
余計なものは売り払い、実のある人生にしよう。
でも…もしも、いつか、あいつに会ったら言おう。
『あなたのお陰で、すこーし、人生学べたわ。お礼は…言わないけどね。』
…って。
きっと、その時は…あいつは…笑わずに真剣な顔を…しているだろう。
きっと、その時に…初めて真剣な顔を…本当の姿を…見れる気がする。
そして…私も…本来の…本当の私で接することが出来る気がする。
いつか…いつの日か…その時がくるまで、私は精一杯、生きていく。
あの出来事を忘れずに…生きていく。
……終わり……
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