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【キャンプにて…】
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夏もまだまだ本番、お盆の夏休みを利用して、俺達、仲良し四人組は毎年恒例のキャンプを楽しんでいたんだ。
その日はヤケに蒸し暑く、妙に静かで、風が生温かったのを覚えてる。
とある湖の畔……。
暗闇と静寂に包まれた畔は、否が応でも何かの気配を感じるような、錯覚に陥る。
用を足すにも、一人では怖すぎる程の闇と静寂。
時折、予告なく聞こえる「ガサっ」という獣でも徘徊しているような物音や、「ホォー、ホォー」と、優しく聞こえる筈のフクロウの鳴き声にすら、一々ビクッとしていた。
俺達四人は高校の同級生だった。
高校生活の三年間は常にこの四人で連れだっては、悪さばかり繰り返していたんだ。
そんな悪友と高校を卒業する時に、ある約束を交わした。
ーーー 四人の誰かが結婚するまで、毎年キャンプをやろう……。と ーーー
仕切り屋のまっちゃんの殆ど根拠のない唐突な意見にも拘わらず、意外と盛り上がった俺達は、それから毎年、夏休みを利用してキャンプをやっていたんだ。
今年で五回目のキャンプだった。
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