第一話 あな恐ろしや、ホラー小説

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ドアの前に立ち鍵を開ける。 そして、すぐに家の中に入った。 ドアが閉まりきる寸前、門の前にじっと立つ「それ」が、一瞬だけ見えた。 鍵を閉め、チェーンをかける。 休む暇もなく家中を走り、窓の施錠を確認した。 最後に2階の自室へ。 窓に鍵がかかっているのを確かめ、そのままデレはガラス越しに玄関を見下ろした。 心臓がどくどくとうるさい。 門の前には女。 入ってくるな、入ってくるなとデレは心中で呟く。 女はしばらくそこに留まっていたが、不意に溶けるように消えていった。 ζ(-、-;ζ「……はあぁぁ……」 深い深い溜め息。 ようやく安心したデレは、その場にずるずると座り込んだ。
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