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いつも、いつも独りきりだ。
みんなボクに追い付いてくれない、追いかけようとすらしてくれない。
一番上から見た世界はちっぽけで、自分が何の為に此処まで登って来たのか、分からなくなってくる。太陽は温もりもない、空は清々しくなどない、海は広くなんてない。
そうだ、ボクが見たかったのはこんな景色なんかじゃないんだ。此処は確かに頂点だった。でもその座は一つで、ボクは孤高になってしまった。
降りよう。こんな何もない場所にはもう飽き飽きした。もっと違う場所を目指してみよう。遠くでも良い、果てでも良い。上は、飽きたな。
下はどうだろう。一番上はもうもらった。なら、一番下はどんな景色が見られるんだろう。
いや、ボクはそれを一度見たことがある。長い長い間、見ていたことがある。そこから登って来たんだ。
なら、何処に行けば良い。やっぱり、果てか。この世界に果てがあるとするなら、それは何処だろう。
まだボクが見たことの無い景色が、そこには有るんだろうか。
まだ、ボクを止められる人間が存在しているのだろうか。なら、もしもそうなら──
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