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「ちょっと待って」
「逃げるな、どうせ逃げ場なんてないんだからな」
俺は逃げていた、何故逃げているのかもわからない。
けど逃げなきゃいけない。
本能がそう言うからだ、少し怖いからか。
「捕まえた、何故逃げた?」
「何故、捕まえた?」
「逃げるからだろ?」
いやそうだけど……だが俺は至って冷静だ、今だってそうだからこそ逃げた。
勿論目の前の女の子を知っている、でも親しくもなければ話すらしたことがない。
橘桃香、頭が良くて運動神経抜群、お金持ち、生徒会長。
完璧だ、顔だっていい。
しかしキチキチしすぎて無口なところやお堅いイメージから男子からの人気は皆無だ、というか背が高いすぎるからか、いやつり目でなんだか平時でも圧迫されてる気がするからか。
「なら逃げないから家に帰してください」
「断る、何故ならお前は私を助けた、その姿に一目惚れだ、つまりフォーリンラブだ」
俺より十センチほど背が高い、俺は百七十はあるからな。
髪が長くつり目で整った顔立ちだ。
唇はきっと柔らかいな、プルプルしてるし…けど他に栄養がいったせいか胸は結構残念。
観察はこのぐらいにしよう、それより昨日を思い出してみよう、どこかに間違いがあったか。
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