32人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
「あなたはこのメッセージを見るでしょうか。
かなりの間ログインしていないあなたはこの「マイフォトグラフ」が閉鎖されることは知っているでしょうか。
閉鎖されれば、当然、このメッセージも見られなくなります。
どうか、1日も早く、僕を思い出し、このメッセージを見て欲しい。
君がこれを読んでくれていると信じ、これからが本題になります。
これを書いているのは、会長婦人、つまり君の母上のお通夜から帰ってきてからです。
僕は今日の朝まで、あの日のままの想いでいた。
しかし、お通夜の席に君と隣に座るご主人と二人の息子さんを見て、何かを望んでいる自分が情けなくなった。
君が僕を覚えていてくれて、また会いたいとどこかで願っていてくれているんじゃないかと、いつもそんなことを考えていた。
それでも、今日、君が妻であり、母であり、その上会長のお嬢様であると言うことを痛いほど感じ、僕は僕の想いは君のためにはならないと悟った。
特に去年の出来事を誰かに知られるわけにはいかない。
このメッセージで、今までの二人と決別しなければならない。
好都合と言うか、ここも閉鎖されるわけだ。
今後、連絡を取れる術は残されていない。
もし、何かが僕の味方をしてくれるとしたら、君がまたカワセミの写真を撮り始めてくれることだろう。
また、去年のように偶然並んでカワセミを撮れたら、どんなに幸せだろう。
それは、僕の夢のまた夢だ。
どうか、このメッセージを読んで欲しい。
そして、いつか、友達として、どこで会えることを願っている」
最初のコメントを投稿しよう!