森羅学園2

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昨日、初めて実行した『桜庭桜花人気者プロジェクト』。 これで桜庭さんは誠にハヤト、光ちゃんと繋がりが出来たと思う。 まだ親密な友達ってわけじゃないけど…… それでも前進には変わりない。 でも…… 「だからって噂が変わるとは思えない……」 その噂を断ち切るには…… 何が必要だろう? 誠もハヤトも学園じゃあ有名人だ。 光ちゃんもね…… みんなにあって桜庭さんには無いもの…… 「…………愛想……」 うん、それだ。 だけどコレはどうしようもない。 他に…… 何か取り入れれるものは…… 誠は強い、しかも森羅執行委員会の会長だ。 加えて紳士的で落ち着いた雰囲気が多くの女子の心を掴んでいる。 桜庭さんも強い。 肩書きは無いけど…… 加えて人の心を折る暴言が多くの不良達を震え上がらせている。 「……」 同じ『強い』でもここまで違うのか…… 光ちゃんの人気はあの性格あっての事だよね…… ……桜庭さんに愛想を求めるのは…… 野暮と言うか、無謀だね…… ハヤトはスポーツが出来る…… 暑苦しい体躯をしてるけど…… 頼りになるから人気が…… そうか…… 桜庭さんも身体を動かすの、得意そうだし…… スポーツで好成績を残すのはどうだろうか? スポーツが得意な人は人気者なイメージもある。 しかも友達の輪も広がって一石二鳥かもしれない…… 「ただ、問題が……」 どうやって桜庭さんにそれをしてもらうか…… 更に、どうやってスポーツで好成績を残すか…… 「だよね……」 「何一人でブツブツ言ってんだ?」 悶々と一人で悩んでいるとハヤトが僕の向かいに座る。 聞かれてたのか…… 少し恥ずかしい。 「桜庭さんの人気者計画を考えてたんだよ……」 「お前も好きだねぇ  まぁ、悪いヤツじゃないって分かったからな……  変な噂をどうにか出来るなら協力すんぜっ!」
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