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金色の髪が風になびく。髪は炎の灯りを受けてきらきらと輝いている。
風は火薬と血のにおいを含んでいた。それらのにおいに、すん、と鼻を鳴らして少女は顔をあげた。
少女の顔には血が付着しているが彼女自身のものではないようだ。そっと持ち上げた左手もまたかなり血に濡れているが、これも彼女のものではなかった。
左の頬にある雷を模したような刺青にそっと触れ、少女は瞳を閉じた。
私たちはどこで間違ったのだろう?
こんな結末になったのには、いったいどんな理由があるのだろう?
私たちの戦いに意味はあったのだろうか?
彼女たちのあの戦いに、意味はあったのだろうか?
世界を変える力などなかったのか。
少女はふっと渇いた笑みを漏らした。同時に、うっすら閉じられた両目から涙が一筋頬を伝う。
――いい。
この先どうなろうと、君と一緒なら、それでいい。
あの夜そう決めたよね。そう約束したよね。ね?
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