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電話の呼び出し音で目が覚めた。
いつの間にか寝てしまっていた。高士は跳ねるように起き上がり、足音をたてて階段を駆け下りた。
今度こそ透子かもしれない。
そんな思いで受話器を取った。
「お母さんだけど。」
こっちからもしもしと言う前に、向こうから話し出した。
「ご近所から白菜をいっぱい貰ったから今度高士さんと一緒にうちに来なさいよ~。」
喋り方と話の内容で、透子の母だと分かった。
「あの…。」
どう会話を切り出せばいいのか躊躇いながら、「お義母さん、高士です。」と返事をした。
「えっ!高士さん?あらごめんなさいね。」
ケラケラと笑う義母に、高士は落胆の表情を浮かべる。
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