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歯切れの悪い言葉に、受話器を握る手から汗が滲む。と同時にすぅーっと脇から汗が流れた。
「私が言うのもあれなんだけど、でも透子は本当に幸せであって欲しいの。親なら誰もがそう願うものだけど、透子は高士さんに出会って救われてるのよ。」
透子が自分と出会って救われた…?
本当にそうなのだろうか?
自分の方がいつまでもふたりでと願い、誰より透子を必要としている。
「お義母さん、私の方が透子に愛されて、愛されて…本当に、甲斐性なしの私には勿体無いほどで、本当に透子を愛してるのに…。」
透子に愛されて、その愛情を返すやり方を知らなかった。
『時々でいいの、いつもよりも多くキスをして、いつもより強く抱き締めて…、お願い。』
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