あらまし嵐荒々し

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嵐が沓沓と 流れておりました あらましが 物語のあらましが 四角い暗い部屋の片隅で 轟々と唸りを、 唸りをあげて おりました いちにん いちにん一人綴りの 記録がない 表紙もない 中身さえもない 姿ない日記帳 あらましは 物語は 変わらず続くと 上から下へと 川流るる予定を未定に 進めておられました しかしながら 未定は予定を転覆させて 山下る船は山を上り 唸りを挙げて山頂へ 船は轟き空に飛ぶかと 想われました 船は想いのままか 空へ飛び立ち そのまま消え失せました 何処でしょうか 何処でしょうか 物語は先を推し量るは 野暮で不粋 予定は予定外になるのは常に潜むもの その人の日記帳は そのままにはもう 綴れませんでしょう 何故でしょうか 何故でしょうか 気掛かりでしたら その人の予定を読み返しては 繰り返しては 考えてみるとよいでしょう 一は一のままではないのだと それしか想いは馳せませぬ たった それだけのこと
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