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翌日、シルビアの護衛隊4人は部屋に呼ばれた。
4人が王女の部屋に入ると、彼女は王女の姿をしていた。
「シ・・・ジラク様、大丈夫でございますか?」
ジル隊長が尋ねた。
「王女の姿の時はシルビアでいいわ。ジラクの名は王子の時だけ。・・・完全に大丈夫と言ったら嘘になるけど、昨日一晩考えて、何とか持ち直した。どうしたって、自分の生まれついた立場は変えられない。だから、自分の運命を受け入れる事にした。でも、受け入れた中で、自分らしく生きていこうと思えたの。腹はくくった。」
シルビアはどこか吹っ切れた表情をしていた。
「シルビア様は、お強いのですね。」
「強くなんかない。強くなるように努力したの。・・・この国の国王となるには、それぐらいの気持ちでいないと。」
「シルビア様・・・。」
「まだ国王になるとは決まったわけじゃないけど、覚悟は決めておかないとね。それで、あなた達を呼び出したのは別件でよ。誰かに聞かれてはまずいから、隠し部屋に移動しましょう。」
5人はシルビアの剣の訓練部屋に移動した。
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