王女となった王子

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緑豊かな国、サフィール王国。この国には、女として王女として育てられた、一人の王子がいた。サフィール王国第1王女(第2王子)シルビア。18歳。彼女は容姿端麗で本物の女性にも劣らない美貌を持っていた。 彼女には腹違いの兄・セヴィーラがおり、彼が王位継承者となっていた。国王とその側付きの侍女との間に産まれた彼だが、国王と妃の間にはなかなか子供が産まれず、国王の血を引くという事で王位継承者となっていたのであった。国王のたった一度だけの過ちから誕生したセヴィーラ王子。彼をシルビアの母であり国王の正当な妃であるセシリアは快く思っていなかった。 セヴィーラ王子は最初産まれの事で城の家来からひそひそと陰口を叩かれる事もあったが、その愛らしさから徐々に皆に受け入れられていったのだった。 彼が3歳になった頃、シルビアの母・セシリアは彼を身籠った。彼女は思った。もし産まれてくるこの子が男なら、正当な王位継承者。セヴィーラを王位継承者の座から引きずり下ろしてくれると。
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