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閉めた体勢のまま吐き気と死闘を繰り広げていると、廊下をバタバタと走る音が近付いてきた
「利音様、失礼してよろしいでしょうか?」
返事をしようとするが、吐き気が勝利しそうになり、口に手を当てて押し留める
「………利音様?……失礼します」
返事がないのを不思議に思ったのか、毛利の部下が襖を開けて顔を覗かせる
「……いかがなさいました?」
無理無理無理無理無理無理無理……
顔の前で無言で手をブンブンふった
部下は少し考えた後、心が通じたのか微笑を浮かべる
「少々お待ちくださいね?」
すっと襖を閉めて足音が遠ざかっていく……
が、自分の事で必死な私の耳には届いていなかった←
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