CASE3*礼子

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それから気まずそうな顔をして目線をさ迷わせながら、男は驚くべきことを言ったのだ。 「礼子ちゃん…… 同意……してたんじゃないの?」 (……同意? 私がこのことを知っていて受け入れたってこと?) 言ってる意味がわからなかった。 それにやはりこの男は父の釣り仲間だと確信する。 確か結婚していて妻も子供もいるはずだ。 なぜこんなことをするのか、礼子には理解できなかった。 父の娘だと知ってて、深夜に部屋にまで忍び込むなんてこれは立派な犯罪になる。 警察に通報しなければと思ったときだった。 そうは出来ないんだってことを、男が次に言った言葉を聞いて、礼子は思い知ることになる。 「いや……お父さんから、礼子ちゃんがおじさんのこと好きみたいだって聞かされて…… 思い出になるように、相手してやってくれないかって言われたんだよ…… おじさんも一応、結婚してる身だからね? 一度は断ったんだけど、一晩だけ相手をしてくれればいいからって…… 今日もお父さんに部屋まで案内してもらったから……てっきり…… よく眠ってたから、少しおかしいなとは思ったんだけど…… おじさんも何がなんだか……」
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