751人が本棚に入れています
本棚に追加
/411ページ
それから気まずそうな顔をして目線をさ迷わせながら、男は驚くべきことを言ったのだ。
「礼子ちゃん……
同意……してたんじゃないの?」
(……同意?
私がこのことを知っていて受け入れたってこと?)
言ってる意味がわからなかった。
それにやはりこの男は父の釣り仲間だと確信する。
確か結婚していて妻も子供もいるはずだ。
なぜこんなことをするのか、礼子には理解できなかった。
父の娘だと知ってて、深夜に部屋にまで忍び込むなんてこれは立派な犯罪になる。
警察に通報しなければと思ったときだった。
そうは出来ないんだってことを、男が次に言った言葉を聞いて、礼子は思い知ることになる。
「いや……お父さんから、礼子ちゃんがおじさんのこと好きみたいだって聞かされて……
思い出になるように、相手してやってくれないかって言われたんだよ……
おじさんも一応、結婚してる身だからね?
一度は断ったんだけど、一晩だけ相手をしてくれればいいからって……
今日もお父さんに部屋まで案内してもらったから……てっきり……
よく眠ってたから、少しおかしいなとは思ったんだけど……
おじさんも何がなんだか……」
最初のコメントを投稿しよう!