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「誰か?」
「親父の顔も忘れたか?夏風邪が長いな。」
額に手を当てられた。
「熱はないな。」
にっこりとその親父は笑った。
「ひとつ訊いてよいか?ここはどこか?」
その親父はくすりと笑うと
「お前の家だし、お前の部屋だよ。寝ぼけてるのか?」
また、笑った。
当たりを見渡しても見たこともないヘンテコな物ばかり飛び込んでくる。
「よく解らぬが…」
「殿様か?あっ、仕事行かなきゃ、遅刻遅刻。じゃぁ、また後でな。」
「あの…」
「ゆっくり寝てろ。」
その親父は笑いながら姿を消した。
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