べつに

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目の前にあるものって、何かな。 ケータイ? 布団? 机? パソコン? テレビ? やりたくもない課題、宿題、書類、家事、仕事。 そんなもんだよね? 絶対君が持っているものを当てよう。 時間。 くだらないと思ったね? でも、これが案外、絶対の正解なんだ。 必要だとか、必要ないだとか、長いだとか短いだとかそんなことはどうでもいいんだ。 心臓が動く限り、生存確認が取れる限り、課されなきゃならないもの。 なぜ生きてるって言わないか? 簡単だよ。 個のない生命は、生きてるって言わないもの。 その点を行くと、僕は生きていないわけだ。 僕の存在価値とか、自分の意味ってさ、ないと思うんだ。 別に卑屈な訳じゃないよ?現にちゃんと学校行ってるし、友達は少ない方だけど少人数で楽しくやってるし。 部活だって、演劇部なんだ。明るくないと出来ないよね。 でもさ、僕一人いなくても、世界は回るし、君一人いなくても世界は回るよね? どっかの国の王様が死んでも、どっかの国の権力握りたい馬鹿が勝手に国を回していくし、演劇はつらいものがあるけど、せりふが入っている誰かを無理やり代役にしたりして回すことも不可能じゃない。 つまりは、そう言うことだよ。 あ、話が逸れちゃった。時間の話だっけ? 僕はさ、正直今だけで精一杯なんだよ。目の前にケータイがあればケータイしか考えられないし、散らかった部屋を見れば片づけなきゃって思うだけ。 片づけは苦手だから、思うだけなんだけど。 未来を考えろって言われたって知ったこっちゃないね。 目の前のことにも手が回らないのにどうしろって? しかも、時間は無限なんじゃないかってほど目の前にあると来た。 時間は有限。それは知ってる。でも。 自己主張できない生命は、生きてるって言えるかい?
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