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とある冬_
「ん。雪か……」
バイト先からの帰宅途中、空から無数の雪が降ってきた。
「これがケサランパサランだったらなー……」
少女は深い溜め息をついた。
5年前、両親が殺害された。
今日のように雪の降る夜だった。
私は塾に行っていた為、こうして今を生かされている。
幸い、両親が保険に入っていた為お金には困らなかった。
それでもお金はいずれ無くなる。
だから私は高校を中退した。
だから私はバイトをしている。
給料は高くないけれど、貰えるだけありがたい。
私は不幸だ。
このまま一生天涯孤独で生きていかなくてはならない。
皆私を助けてくれない。
いっそ…死んでしまえば楽になれるだろうか……
「あー駄目駄目!」
どんなに辛くても…誰も助けてくれなくても…私は最後まで諦めないっ……!
どんなに笑われても…どんなに意地悪されても…私は神を憎み続ける……
「神様なんて大っ嫌いだぁ!!」
「おい、うるさいぞ!」
「あ、すみません……」
おっと、時間を弁えねば。
辛い。
痛い。
でも死にたくない。
私はどうすればいいのかな……
神様は何も教えてくれなかった。
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